BCCNー782(固体酸化物型高温水蒸気電解セル(SOEC)の(量産)製造技術)

BCCNメール受信者の皆様(下記2件のご案内です。)

1)固体酸化物型高温水蒸気電解セル(SOEC)の(量産)製造技術
2)脳血流の測定技術・装置を求む

1)固体酸化物型高温水蒸気電解セル(SOEC)の(量産)製造技術

再生可能エネルギー発電設備が世界的規模で導入されているが、天候などの
環境に起因する発電量の変動を解消するには、発電設備とは別に電力貯蔵設備が
必要となる。そこで、電力の貯蔵だけではなく、搬送もできるエネルギーキャリアへと
転換できる水の電気分解による水素製造技術は、将来のエネルギーシステム技術として
注目されている。そして、水電解による水素製造の技術の一つの、
固体酸化物型高温水蒸気電解セル(SOEC)を用いた高温での水蒸気電解は、
高効率でエネルギーキャリアを製造できる次世代の水電解技術として期待されています。

このSOECの技術開発に果敢に長年挑戦してきたベンチャー企業があります。
開発者は大手企業でSOFC、SOECという異種セラミックの多層構造の一体焼成技術開発を
してこられましたが、所属企業がSOFC、SOECの開発から撤退する方針を示しました。
この時、別の大手企業から開発の継続を求められ、所属企業をスピンアウトして
ベンチャー企業を設立し、開発を継続されて来られました。十数年の歳月をかけ、
最近になってようやくSOECの量産が見えるところまで何とか到達されましたが、
ここにきて、長年支援してくれたスポンサー企業が事業化に消極的になり、
支援が途絶える状況に陥ってしまいました。

このままでは会社は廃業せざるを得なくなり、今までの開発が無駄になってしまいます。
そこで今までのスポンサー企業に翻意を働きかけましたが、決定が覆らないことが
わかりましたので、やむなく新たなパートナーを探すことになり、BCCNに依頼が
届きました。このセルが大量・廉価に提供されるようになれば実証試験は確実に進み、
水素社会の到来に大きな一歩になります。下記に、この会社が達成した開発内容の概要を
ご案内させて頂きます。

1.固体酸化物型燃料電池および固体酸化物型高温水蒸気電解セルの製造技術

高温水蒸気電解セル(SOEC)の試作業務を通じて、アノード支持型セルの製造方法を
研究して来た。大型平板セル作製においては、アノード支持体グリーンシートを
テープ成形で独自に作っており、高い歩留りでグリーンシートを作る技術を有する。
また平板セルでは、電解質をスクリーン印刷で塗布し、アノード支持体と同時焼成し、
10μm厚さの電解質でリークが無い。平板セルは110mmまでの大きさで実績が有り、
平坦度も独自焼成技術で優れている。SOFCでは電解質、アノードグリーンシートの
原材料の選択と調整、および独自焼成技術により、NiO-GDCサーメットアノード支持体でも
電解質と同時焼成し、110mmの平板セルをリーク無く作製出来る技術を確立している。
これまでのSOFC,SOECの作製経験を基に、量産化をねらう手前までの試作、あるいは
量産試作ラインの構築などで貢献出来ると考える。

2.テープ成形用スラリーについて

テープ成形でのグリーンシート作製用スラリーを水系で作製している。
水系スラリーの研究を重ね、乾燥も大型成形機で問題無く出来ることを確認している。
また乾燥後厚さ1mmといった厚いシートも成形出来る。スラリー作製においては、
少量試作ではボールミルを使用しているが、量産対応にはビーズミル、3本ロールでも
作製を経験しており、スケールアップ対応が出来る。

3.スクリーン印刷用ペーストの作製技術

SOFC、SOECの電解質、各種中間層、酸素極はスクリーン印刷で形成している。
当社はスクリーン印刷用ペーストを内製している。特に電解質は厚さ10μmといった
薄い層でもリークの問題から、ピンホールが許されないが、ピンホールの出来ない
ペーストの開発に成功している。スクリーン印刷では対応が難しい厚い層では、
コーター装置での塗布を経験しており、乾燥後厚さ60μmといった厚さでも対応できる。

4.スプレー用水系スラリー作製技術

円筒型SOFCの電解質塗布を如何にするかで、スプレー塗布技術、ディップ塗布技術の
両方を水系スラリーで確立した。特に円筒基体管へのスプレー塗布による電解質は
ピンホール問題が発生しやすいが、独自技術でクリアーしている。形状により
スクリーン印刷が難しいものでも、スプレー、ディップで対応が可能である。

5.量産化対応

技術開発は量産を念頭に置いたプロセスを採用しており、セルの量産化は
比較的容易と考える。唯一量産対応を試してないのは焼成であり、大型焼成炉を
用意するなどのコスト、設備の問題から出来ていない。ただ、焼成炉に要求される
性能(温度分布)については、有意なデータを取っている。

さて、新たなパートナーを探すにあたり、この企業が考えていることは
下記のようなものです。

a。今までに開発したセルを有償で提供する(提供を受けたサイドが検証)
b。上記に示した技術に関連した試作、情報提供、技術アドバイス業務等の受託
c。上記に関連する技術のライセンス(技術はセラミックの焼成などノウハウの
  塊であり、単に書面・図面で伝達できるようなものではないので、ライセンスを
  実施する為には開発者本人が相手先に出向くか、あるいは相手企業の開発者が
 ベンチャー企業に来る必要がありますが、それに対応される用意はございます。)

ご興味がおありな企業さんには、更なる詳細情報の提供の用意があります。
但し、結論が出るのに時間がからる企業さんとの交渉は、企業体力的に
無理がありますので、上記3点に関しては国内企業に限定しないで、
海外からのオファーにも柔軟に対応されます。

(今回の案件は、ある偶然によりBCCNに持ち込まれ、BCCN以外が本件を
扱うことはありません。つまりBCCNの受信者だけが知りえる情報ということです。
この情報を扱うにあたり、特定の企業に打診しようか、あるいは国に働きかけようか
などと悩みました。ただ、私としては多くのBCCNの受信者がどのような反応を
示すのか知りたいという気持ちが強くあり、また例え上記の技術が海外に
出るようなことがあったとしても、それにより水素社会の到来が早まられるのであれば、
それはそれで悪いことではないと思います。)

2)脳血流の測定技術・装置を求む

(ある大手企業からの依頼です。)

認知症予防等に係る種々の成分に関する長期介入試験を行う際に、血流の変化を
測定する必要があります。脳磁計では血流の測定ができず、fNIRS等では
相対値しか得られないので長期間の血流改善(長期間経過後の血流変化)を
確認する事ができません。また、CT等は放射性物質を使用するため人体へ
負担がかかります。
ASLでは非侵襲で血流の絶対値が測定できますが精度に問題があり、脳の血流の
絶対値を非侵襲で正確に測定できる装置、あるいは技術を探しています。

制約条件:
高い精度で(再現性がある)脳血流の絶対値を測定できる
(長期介入で脳血流の変化量を測定できる)
非侵襲である
実機が販売されている(あるいはプロトタイプがあり、動作確認ができる)
皮膚血流信号と脳血流信号を区別できる

効果・結果に関する要件:
日本における介入試験に使用できる
深部の血流がわかる方が望ましい
放射線被ばくがなく、非侵襲ならばトレーサーなどの技術も使用できる
アミロイドβの排出が測定できる技術も検討の対象である

株式会社ビーシーシーネットワークは優れた技術を発掘し、その技術を国内外に知らせ、技術保有企業のビジネスを 成功させる為の様々な支援サービスを15年以上にわたって成功報酬で行っております。

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