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【コラム】

 

1)産学官連携についてのそれぞれの「レベル」ギャップ(BCC会員、大学講師)

私は、今、新しい技術や新製品についての概念の普及や流通について(これを総括してイノベーションと呼ぶのですが)のイノベーションの研究をつい最近始めました。ここでのコメンテータと私はほぼ同じ立場にあるかと思います。(私は定年ということではなくスピンアウトしましたが)一流〜三流というカテゴライズは少々荒っぽいと言えますが、文部科学省他の予算配分から考えると、ほぼ妥当な線と申せましょう。

ただ、二〜三流というのは何をもってそうなのか、ただ大学そのものの偏差値のみで計っては真実の姿は現れません。確率論でいえば、一流・有名どころの大学のほうが教育するのも簡単だし、なにかきっかけがあれば新しい方向に伸びるのも早いと思われます。もともとの基礎学力が高いからです。学生だけでなく当然のことながら先生方のレベルもしかり。独立法人化が眼前ではありますが、科研費の配分が少々少なくなっても一流・有名どころはこれまで同様に配分されるでしょう。
困るのは、それよりレベルの下のところです。ここから原石を掘り出す作業を我々のようなコーディネーター的存在が中継ぎあるいは後押しをしなくてはならないのだと薄々ながら感じていますし、現に、私が今出入りしている東工大でさえ、先生方が我々社会人研究生に期待する部分なのです。
4年生や修士の初期学生に私がもっているフィールドワークを分けて課題として出してほしいといったような要望です。こういったそこそこメーカーも経験し、アカデミックなところにも出入る中間層を活用する力量のある教授が日本にどれだけいるか?が一番の問題点ではありましょう。ただ、この成果はやはりかなり狭い範囲の学会でしか公表できないので、いずれ論文などがまとまったら、本にでもまとめていくつもりです。

大学からのシーズを市場のニーズにつなげていくその間にはいくつもの深い谷がありますから、それを双方向から歩み寄って(橋を掛けて)いかないことにはまともな産官学の成果は得られないでしょう。(アメリカ型はTOPダウンですが、日本の場合は市場も学歴のあるなしにかかわらず、アメリカよりも、幅広く教育効果が得られるはずなので、双方向という表現をしています。)

アイデア→企画→基礎研究→応用→製品化。ここまでたどり着く確率は最初のアイデア段階から0.3%の確率、つまり1000三つの世界です。製品がそのまま事業化できるとは限りませんから、さらに確率は低くなる。そして製品化→商品化となって、市場に受け入れられるかそうでないかでさらに絞られる。という図式です。とくに工学部系統や理学でも応用理学の人たちはこれを頭のどこかに入れておかなくては、継続的な研究開発費の供給は望めないことになります。

 

 
 

 

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