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2008.03.26

産学官連携(大学発ベンチャーについて思うこと)

この数年間、産学官連携が大きなテーマとして取り上げられ、様々な政策が取られております。
その政策の一つに大学発ベンチャー創出があり、多数の大学発ベンチャーが設立されております。
しかしながら、私は大学発ベンチャーの創出には無理があると以前から感じておりますが、どなたも得にはならないことは発言されないのようので、少し憎まれ役をかって発言してみようと思います。

大学発ベンチャー創出は米国をモデルにした事業と思われます。
しかし、日本は米国に比較して様々な事業のベースとなる基礎が不十分と思われます。

a:多くの企業は依然として外部からの技術導入に消極的である。
b:産官学における人材の流動化が図られていない。
c:技術移転を仲介する人材が不足しており、また力量が足りない。(ビジネスとして成り立ち難いので参加者が少なく、必然的に力量も不足する)
d:アントレプレナー人材の不足(終身雇用に護られた文化で育ち、挑戦することになれていない)
e:ベンチャーに対する税制支援が不十分でベンチャーエンジェルも不在に近い。

上記の状況の中で、大学発でなくてもベンチャー企業の成功への道のりは非常に険しいものであることが分りますが、大学発ベンチャーは更に企業経営の経験者不足というハンディを負っております。
ベンチャー企業の経営者は全てを失うリスクを負って挑戦するわけですが、大学発ベンチャーは経営責任者があまり身銭を切ることもなく設立され、誰が責任を取るか不明。(失敗しても、誰も破産する人はおらず、ただ会社が倒産するだけ)
研究開発に国の資金が投入されることは当然のことと考えますが、研究開発支援と企業設立は全然意味が異なります。
一連の政策立案には、企業経営経験者が殆ど関与していない事が想像されます。
大学発ベンチャーに投入された資金に対する担保となるようなものは何も見当たりませんが、会社設立に投入される資金は投資資金であり、投資に対してはリターンや、担保が要求されるのが当然です。

不得手な事に努力するより、得手に集中することが、より大きな成果を生むことは皆さんご存知のことと思います。
そうすると大学発ベンチャーは、まさに大学が一番不得手な分野ではないでしょうか?
大学発ベンチャーにも、もっとリスクマネージメントを伴うやりかたがあるはずと思います。
産学官連携のあるべき姿とは、産・官・学の、それぞれが最も得意とすることを有機的に結びつけることにあるはずで、縦割り行政の中で、有機的結びつける役割が不在・不足・機能不全のように感じます。


 

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